【Crocodile Bambie 1st album”Bloody Tree”~聖地巡礼の旅~】

(参照:https://diskunion.net/portal/ct/detail/HMHR190320-200

 

 心底待ち望んだバンドの1stアルバムには、たくさんの有機的なサウンドが。

穏やかな起伏から成る、予想つかぬ展開のメロディーとなり。

気持ちの良い、どこまでも広がる景色を見せてくれる。

 

僕はただただ幸せだった。

 

Crocodile Bambieは、2013年5月22日に、1stEP”Flexible Vegetable s”をリリース。

ストーナーロック、サイケロック、デザートロックという、日本の音楽シーンには稀有な類のバンドの登場に、この手の音楽を愛する我々は狂喜乱舞。

今や入手困難と言われているそのEP。

幸運にも持っているファンは何十回、何百回と聴き込みながら、新たな作品を待ち。

新たにバンドの虜になったファンは、早く音源を手に入れたいと、新譜を心待ちにした。

 

月日は流れ、6年後の、同じく5月。

2019年5月29日。

待望の1stアルバムをリリース。

約4年間に渡り、丹念に作り込まれた結果、傑作が誕生した。

収録された9曲は、バンドのボスであるベース/ヴォーカルの安井義博氏の、アメリカでの経験から得たインスピレーションを基に書かれているという。

diskunion.net

彼のもう一つのバンドが、OUTRAGE

2003年12月、彼らはアメリカにいた。

ヴォーカルが去って、4年が経った頃。

一時期、活動の場をインディーズに移したが、再びメジャーとの契約を掴み、新たな一歩を踏み出す大事な頃。

憧れのレコーディングスタジオへ旅立ち、自分たちのやりたい音楽を自由に奏でた。

そのスタジオとは、デザートロック、ストーナーロックの聖地、Rancho De La Luna。

完成したアルバム、”Cause For Pause”は、従来のOUTRAGEとは音楽性がガラッと異なるものの、太いロックンロールを多彩に聴かせる傑作となった。

その時の、伝説のスタジオで過ごした経験が彼の創造性を刺激し。

16年の時を経て、“Bloody Tree”という作品になった。

 

Crocodile Bambieの魅力は、

オーガニックなサウンドが連なって生まれるメロディーで、

風景・景色を見せてくれるところにあると思っている。

 

1st EPはリゾートの海辺で仲間や動植物と過ごす1日を僕に見せてくれた。

詳しくは、こちらのブログを読んで頂きたい。

www.anotherstyle.net

 

景色を見せてくれるバンドが放つ新譜は、アメリカへの旅の思い出…

 

「そうだ、聖地巡礼をしよう!」

“Bloody Tree”を聴きながら炎天下にランニングをしていた時。

一筋の緩やかな風が吹いた時。

そんなアイデアが閃いた。

 

Google Mapを駆使し、Googleで立ち寄ったであろう地を画像検索し。

日本からRancho de la Lunaまでを旅し、そこで過ごした日々を妄想する。

“Bloody Tree”の曲が描く風景を探し、イマジネーションを刺激しながら、音楽から感じる物語を書いてみる。

 

今回はこんな感じ。

僕のブログならではの、アルバムレビュー。

「音楽は耳で観る映画」と考える僕ならではのアルバムの楽しみ方。

“Bloody Tree”を聴きながら、OUTRAGEのアルバム“Cause For Pause”を制作した旅を、妄想してみよう。

 

さぁパスポートを手に、飛び立とう!

 

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(参照:http://www.wallacevanborn.be/arrival-in-the-dark/

バンド…

音楽…

レコーディング…

 

気づけば楽器を持ち、作曲しながら、ソファーで寝落ちていた。

夢の中で見たモノクロームの景色は、サイレント映画のような風景。

広がる荒野に、まばらに生えるヨシュアツリー。

デザートロック、ストーナーロックの聖地である。

スタジオ“Rancho De La Luna”の看板は一筋の風を受け。

ギシギシと錆びついた音を立てて揺れる。

そして、砂漠の妖精(=Desert Pixie)が飛んできてこう呟いた。

「トランキーロ、あっせんなよ。肩の力抜いて、自然のまま。音楽を演奏しよう」

 

気づけばパスポートと楽器を手に。

仲間と空港へ。

向かうはLA。

 

どうなるか分からない。

I don't know。

自然のど真ん中で、自由を感じ、地球を感じ、ありのまんま。

感じるままに演奏しよう。

 

憧れのスタジオでレコーディングできることにワクワク、ドキドキ。

乱気流で飛行機が揺れるも。

(ドラムが盛り上がり、ベース、ギターも炸裂し、ロックンロール)

無事に到着。

ゆっくりと飛行機は滑走路を歩み、バンドを、乗客をアメリカの大地へ誘った。

(穏やかなメロディーの中)

 

Track #2: ”La Luna”

(参照:https://hiveminer.com/Tags/lax%2Cmoon/Recent

到着したのは夜。

多くの人で溢れる空港。

いろんな国の人たちで溢れる空港。

タクシーに乗り少し、夜のドライブ。

今夜は空港近くのホテル。

12時間以上のフライトで疲れているのに、寝付けない。

ビール片手に外へ出ると、広い夜空に大きな月(=La Luna)。

憧れのスタジオはもうすぐそこだ。

俺はもうアメリカにいるんだから、同じ空の下にいる。

そう思うと、月が愛おしく感じ。

ワクワクとドキドキが止まらないんで、ビールを一気に呑み干し。

翌日に備え、無理やり目を閉じた。

 

Track #3: ”Slow and Go”

(参照:https://www.google.com)

(参照:https://www.good-maguro.jp/news/blog/13538.html

「こっから車で2時間半くらいかな。まっ、焦らずゆっくり行こうぜ(=Slow and Go)」

そう運転手はバンドに告げ、楽器とワクワクを積んだ車は、LAを出発。

さすが西海岸。

天気は最高、湿気も無く気持ちいい。

 

https://photos.app.goo.gl/TxHJJ5uueAYc1Bbh8

(参照:https://www.jtb.co.jp/kaigai_opt/srh/prddetail/p200006823/

アナハイムを抜け。

(参照:http://corcohighways.org/?p=5546

国道91号線を越え、国道60号線を突っ走る。

 

(参照:https://www.travelcaffeine.com/cabazon-dinosaurs/

1975年に誕生した恐竜のテーマパーク、「カバゾン・ダイナソーズ」を横目に。

少し走って左折。

 

(参照:https://www.thearmchairexplorer.com/california/twentynine-palms-highway

残るは、国道62号線を真っ直ぐ。

都会から離れ、何にもない荒野。

心地良い風を受けながら、アメリカのデカさを感じるばかり。

 

(参照:http://joshuatree.guide/restaurants

Crossroads Coffeeを左折し、あと2度左折すると…

無事、念願のRancho De La Lunaに到着。

 

(参照:https://popturf.com/locations/music/queens-of-the-stone-age-foo-fighters-earthlings/rancho-de-la-luna

Track #4: ”Twist”

(参照:http://jahimagenes.blogspot.com/2013/09/fondo-de-pantalla-abstracto-botellas-de.html

青空の下、サングラス。

そしてボトルを一本選び、ショットでクッと。

このエフェクターを駆使した魔法のインストゥルメンタルは、ギターの岡氏作曲。

もちろん、曲の主人公が選んだのは、彼が愛飲するジャックダニエル。

アルコールが全身を駆け抜け、

空を見上げると、陽の光。

空がゆっくりとねじれていき(=Twist)。

魅惑の世界へと誘われる…

 

Track #5: ”Turn Around”

(参照:http://joshuatree.guide/top-10-tips

レコーディングも順調に進み、

伝説の音楽をたくさん生み出している、スタジオの皆さんとも仲良くなったある夜。

一日の仕事が終わり、皆でBBQ。

その後、1人で外出て夜空を見上げた。

日本では感じたことの無いほどの星の数と広大な空。

なんとなくゆっくり回ってみる(=Turn Around)と。

ちょっと逆らって左回り、反時計周りに回り続けてみると。

いい感じに酔い、トリップ。

 

Track #6: “Bloody Tree”

(参照:https://www.trover.com/d/1mCuh-joshua-tree-national-park-riverside-county-california

ある朝、皆よりも早く目覚めた。

快適とは言い難いベッドを出て、1人外へ。

目の前に広がるのは、昇る日に照らされ真っ赤なヨシュアツリー(=Bloody Tree)。

荒野にしっかり地に根を張りそびえ立つヨシュアツリー。

神々しい木々に強い生命力を感じる。

静かな朝。

地球に、自然の摂理に負けず、堂々と立ち尽くす、陽を浴びたヨシュアツリーを拝み。

心を落ち着かせ、ベースを弾く。

今日も心のまま、気持ちの赴くまま。

バンドを感じ、地球を感じ、弾こう。

 

Track #7: “Campana de Venado”

(参照:https://www.trekwarrior.com/deer-hunting-guide-basics-tips-gear/

夢の中は、霧の中。

一頭の鹿がゆっくりと、数メートル先を横切る。

決して人間に危害を加えることも無く、ゆっくりと自分のペースで。

首に飾られた小さな鐘が、響き渡る。

それは神のお告げなのか。

霧は一段と濃くなり鹿はどこかへ。

神秘的な、ミステリアスな一時。

 

これもまた、Track #4と同様、ギターの岡氏によるインストゥルメンタル。

肩の力を抜いた、ゆったりと弦を掻きむしる上を。

恐らく彼が開発したであろう魔法の箱(エフェクター)で神秘的な。

ギターのトーンを聴かせる曲。

Track #8: “Get Action”

(参照:https://www.kcet.org/shows/artbound/rocks-not-so-secret-musical-hideaway-rancho-de-la-luna

(参照;https://www.kcet.org/shows/artbound/rocks-not-so-secret-musical-hideaway-rancho-de-la-luna

(参照;https://www.kcet.org/shows/artbound/rocks-not-so-secret-musical-hideaway-rancho-de-la-luna

(参照:https://www.wildlandtrekking.com/blog/getting-know-joshua-tree/

(参照:https://rootsrated.com/stories/insider-s-guide-to-joshua-tree-national-park

ここに来てもうすぐ3週間。

憧れのスタジオで演奏して。

友達が日本から遊びに来て。

BBQして、呑んで。

憧れのミュージシャンも遊びに来て。

BBQして、呑んで。

本当に幸せな日々。

 

しかしもうすぐこの生活も終わりを迎える。

この日々を単なる思い出にせぬよう。

動こう(=Get Action)。

大地を踏み。

ヨシュア・ツリーに触れ。

岩山を登り。

大空を感じ。

太陽を浴び。

星を眺め。

スタジオを堪能しよう。

頭だけじゃなく。

身体にも記憶させる。

この感情を身体に染み込ませて。

 

自然を感じ、リラックス。

地球を感じ、ありのままに。

やりたいことを、感じたことを。

ただただひたすら、音楽にしよう

 

Track #9: “Change”

(参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Bottom_of_the_Hill

(参照:https://www.spacebase.com/en/venue/bottom-of-the-hill-7703/

(参照:https://www.yelp.com/biz_photos/bottom-of-the-hill-san-francisco?select=nPdiTcUBMVg5_36oJLpaGQ

レコーディングは無事終了。

スタジオの方々に、感謝とまた戻ることを告げ。

スタジオを後にし、バンドと機材を積んだ車はサンフランシスコへ。

今夜はパーティー。

友人の手配で、ライヴができることになった。

 

夢の地でのレコーディング。

そしてアメリカのライヴハウスでロックンロール。

本場、アメリカのロック野郎たちとバカ騒ぎ。

リラックスして爆音を奏で。

(参照;https://www.yelp.com/biz_photos/bottom-of-the-hill-san-francisco?select=MthFJpLhcdrVcj9CQVgVvw

アルコールもどんどん。

酔いが回りに回り。

トリップ。

 

見渡せば、いつもの仲間。

しかし見渡せば、アメリカ人。

ここは名古屋?

いやアメリカ?

爆音の中酔いが回り、もう何が何だか分からなくなってきた。

何が本当で、何が嘘か。

ここはどこ。

どこのライヴハウス?

これは現実か、幻か。

 

もういいや、そんなことどうだっていい。

気持ちいい音楽に乗って踊ろう。

 

どんどん迷宮に落ちていくが。

楽しもう、踊ろう。

 


映画「マルホランド・ドライブ」日本版劇場予告

デヴィッド・リンチの映画のようなミステリアスな浮遊感に酔っているうちに。

突然、パタン…と物語が終わる。

ブラックジョーク、エクストリームなジョーク。

(参照:http://annyas.com/screenshots/the-end-titles-warner-bros/

ameblo.jp

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もう何十回と聴いているが、飽きない。

いろんな音楽を吸収した。

そしていろんな経験をした。

映画や車、景色といろんなものからインスピレーションを得た。

大人の最高の遊び。

 

本当に素晴らしいアルバム。

今度は、この音楽を生で体験したい。

 

名古屋ではレコ発、リリースパーティーを行った。

大阪でも決まった。

東京はいつだろう。

 

もし叶うことなら、このアルバムのリリースツアーを全国でやってほしいな。

この幸せに満ちた音楽を全国へ届け。

その時に得たインスピレーションを基に。

2ndアルバム…

 

ちょっと気が早いな。

 

まずはライヴ。生で体験したい、そこでどんな景色が見えるのか。

考えただけで、ワクワクが止まらない。

その日を心待ちに。

 

BLOODY TREE (ブラディ・トゥリー)

BLOODY TREE (ブラディ・トゥリー)

 

  

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