【メタルマクベス~劇団☆新感線による、超絶ド級のエンターテイメントへヴィメタルミュージカル~】

(参照:http://www.tbs.co.jp/stagearound/metalmacbeth_disc1/visual/

ミュージカルファンの皆さんへ。

へヴィメタルは、決して野蛮なだけの音楽ではないんです。

劇的で、ドラマチックで。愛と勇気、挑戦と闘い、そして悲喜劇がある、壮大なミュージカルのような音楽なんです。

メタルヘッドの皆さんへ。

音楽の世界を具現化したもの、観てみたくないですか?

皆さんが大好きなエピカルなパワーメタルが、具現化されました。これまで音楽で表現されてきた戦場が、城が、戦いが、愛が、哀しみが。目に見える形になり、皆のイマジネーションを駆り立てるメタルオペラが大迫力なステージに完成しました。

ミュージカルファンには、ミュージカルそのものを楽しんでもらいつつ、ヘヴィメタルの魅力を伝えられる作品。

ヘヴィメタルヘッドには、皆の好きなメタルの具現化にワクワクしてもらいつつ、ミュージカルやオペラの魅力を知ってもらえる作品。

それが、この夏から冬にかけ、東京は豊洲の360度ステージで上演される一大ミュージカルです。

へヴィメタルの楽曲、へヴィメタルの雰囲気、へヴィメタルのネタをふんだんに散りばめた世界観で、シェークスピアの戯曲、『マクベス』をやってのけた、劇団☆新感線のこのミュージカルを、ぜひご覧ください。

まずは、へヴィメタルバンド、THE冠のリーダーで、ヴォーカルである冠徹弥がMCを務め、主演3人がテーマ曲を本番と同様の生バンドをバックに歌い上げる制作発表映像を!


『きれいは汚い、ただしオレ以外!』橋本さとし×尾上松也×浦井健治が劇中曲をシャウト!! 新感線☆RS『メタルマクベス』製作発表レポート

ドラムスがツーバスじゃないけど(ツインペダルかな)、冠徹弥が一番目立っているけど、しっかりとオーソドックなメタルをかましている。

メタルに心酔して16年以上の僕は、ミュージカルも大好き。

と言うのも、母親が劇団四季好きで、小中学生の頃、家族でよく観に連れてってもらっていた。

『ウエストサイド物語』『美女と野獣』『クレイジー・フォー・ユー』『夢から醒めた夢』『壁抜け男』などなど。「歌で物語る」ということを子供の頃に覚えていった。

そんなこともあって、僕はメタルを聴き始めた頃、DREAM THEATRやQueensrÿcheなんかのストーリーアルバムに魅せられた。

所謂、コンセプトアルバム、ストーリーアルバムと言われる中でも傑作を作った2バンドだ。

ストーリーアルバムとは、アルバム収録曲が10曲なら各曲がチャプターのような役割を果たして物語を描いていき、アルバム全部で1つの物語を展開する作品。

こういう音楽リスナーとしてスタートしたから、「曲で世界を描き、詩で物語を描く…つまり、音楽は耳で観る映画なんだ」という音楽観が生まれたんだが、こんな僕なので、『メタルマクベス』には興味を持っていた。

へヴィメタルらしいダークでメタリックなヴィジュアルもかっこいいし。


(参照:https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b1898885
(参照:https://spice.eplus.jp/articles/206211
(参照:https://spice.eplus.jp/articles/206211

しかし、

シェークスピアの”マクベス“をメタルで? どうせ、ちょっとメタルをかじったように感じちゃう?」

メタル度合はまずまずやろうと、正直、舐めていた。

しかし、7月23日の開幕から8月31日の『disc 1』閉幕まで、毎日毎日、しつこいぐらいに僕のTwitterのタイムラインに上がる、冠哲弥氏の熱き一言…

「今日も行ってきます」
「残り、数公演。終わりが寂しい」
「絶対観た方がよい」

そのツィートからは情熱、やる気だけでなく、観る者を絶対に楽しませる自信が溢れ出していた。

彼が出演する『disc 1』が幕を閉じようとする8月末。

仕事にも時間の余裕が出来、ここしかタイミングはないと、夏休みを取ることになったが、急な夏季休暇の為、何も予定はなく、遊ぶ友達もいない。

「“メタルマクベス”があるやん…」

冠哲弥氏のツィートを思い出し、運命に導かれるかのように、チケットを取った。


新感線☆RS『メタルマクベス』disc1 公開ゲネプロ 橋本さとし 濱田めぐみ


新感線☆RS『メタルマクベス』製作発表レポート(2)トーク部分

このゲネプロの映像と会見を観たら、なんだか観ないといけない使命感に駆られた。
その翌日、ワクワクして豊洲に向かった。

会場入りすると、平日ってこともあってかほとんど綺麗な方々。メタルシャツ着た人は全体の5%ほど。笑

僕は、KREATORのエグ味あるシャツを着たのだが、かなり浮いていた。笑

さてさて、席に着くと、会場内に流れるBGMにウットリ。

SCORPIONS “He’s A Woman, She’s A Man”
VAN HALEN “Panama”
AC/DC “Back In Black”
DEF LEPARD “Rock Of Ages

80年代、世界中がメタルに魅せられていた頃の名曲の数々。

僕の心はもちろん、大興奮。周りを気にせず、席でヘッドバンギング、エアギターしていた。

これら楽曲はけっこうキャッチ―で気持ち良いからきっと、ミュージカルファンの方々も楽しんでいたはず。

そして、JUDAS PRIESTの“Heavy Duty”がヴォリューム大きめに響き渡り、開演の合図となる。

始まった2部構成約4時間に渡る一大ミュージカルは、ミュージカルファン、メタルヘッド共々楽しめるエンターテイメントショーだった。

【ミュージカルファンの皆さんへ】

宮藤官九郎の脚本とあって、笑えるネタが満載。会場全体が湧く瞬間が多かった。
時事ネタを使ったり、流行りの芸人のネタを入れたり、台詞にも誰もが笑える要素がたくさん。

そして出演者も超一流。

僕が観た時は、劇団☆新感線で御馴染みの方々はもちろん、各役者さんの演技も歌声も素晴らしいのだが、僕が観た『Disc 1』ベテラン俳優の西岡徳馬さんは歌も笑いも見事だった。


(参照:https://spice.eplus.jp/articles/206211

そしてそして、濱田めぐみさん。

僕が劇団四季を観まくっていた頃、四季で大スターだった彼女。美しく、女の怖さを大熱演。歌がよかったし、演技は艶満点。

濱田めぐみさんの素晴らしい歌声をここでご覧頂きたい。


ライオンキング

これは1998年、彼女がまだ劇団四季に居た頃。

傑作ミュージカル『ライオンキング』の宣伝映像。2分50秒くらい。リハーサル映像にある彼女のソロパート。

この声は圧巻。へヴィメタルの分野でも女性シンガーというものは最近よく聴けるので、メタルヘッドの皆さんにも訴えるはず。


「ジキル&ハイド」稽古場風景

この『「ジキル&ハイド」稽古場風景』ではなかなかパワフルな、強い女の声が聴ける。

メタルヘッドの皆さんへ】

おすすめポイントは3点。

オリジナルのへヴィメタル曲による演劇、そして生演奏

音楽は全て、生演奏。ツインギター、ベース、ドラムス、キーボードの編成。

メタルの世界で実績ある人となると、キーボードの方、松﨑雄一氏、聖飢魔Ⅱデーモン閣下、浜田真里のツアーやレコーディングに参加したことがあるらしい。

音楽は80年代のオーソドックなHR/HMを基調としていて、言うなれば、RAINBOWやJUDAS PRIESTなんかを思わせる曲が続く。

ここまでなら、

「頑張って作曲したんやな」

と上から目線で申し訳ないが80点くらいだったが、BABYMETALだけでなく、ゴシックメタルのベテランWITHIN TEMPTATIONを思わせる曲もあったりして、

「しっかり勉強してはる。お見事!」

と666点を与えてもいいくらいの感動を覚えた。

 

ステージセットと小道具、衣装

衣装がいちいちゴージャスで、黒を基調としたヘヴィメタル感のあるものはもちろん、主人公ランダムスターの武器は、ほんまにあのギター、ランダムスターの形状を進化させたもの。

そして、ランダムスターの部屋は1部と2部で、壁飾りがオジーからロブ・ハルフォードに変わるっていう(1部、2部逆だったらすみません。記憶が数カ月前なので)。

(参照:https://spice.eplus.jp/articles/206211

キャラクターのネーミング

何よりも各キャラクターや地名の名前が絶妙過ぎる!

ざっと挙げてみよう。

核戦争で荒廃した都市、フェンダー国とギブソン国が対立する中、新興国のESP国での内乱がこの物語。

ESP国王のレスポール、側近はグレコ、部下としてランダムスターとエクスプローラーが活躍する。

戦に勝ち、レスポールマホガニーの土地をランダスターに与える。

そしてレスポールJrが助けを求める先は、フェルナンデス国のパール将軍…

事前に情報を仕入れていたらもっと大人しくみられたのだが、ほとんど何も知らん頭で観に行ったので、この上述の太字、ギターメーカー、製品、材質にドラムメーカーの名前の連続に、爆笑の連続!

これをネタと感じて拒否する人もいるかもしれないが、いざ現場でダイナミックにミュージカルが展開される中でこの名前を聞くと、もう嬉しさが止まらない!!!!

【ミュージカルファン、メタルヘッドの皆さんへ】

どちらのファンの皆さんにも驚きと興奮を与えるのが、この会場「IHIステージアラウンド東京」だ。

座席が360度回転!いやもう何このアトラクション感!

観客も飽きず、動きがあるし、なんとこのアトラクションステージの結果、ステージは360度使用できる。

ミュージカルとは基本1つのステージ上で暗転中に場面転換を行うので、僅か少しの時間でできる仕掛け、変化しかできないが、360度ステージ全面がステージとなる為、各場面大がかりなステージセットが展開できる。

客席は物語の進行に合わせ、右に左に動き、場面が変わり、次の世界、その次の世界を楽しんでいく。

またテーマがメタルとあって、バイクを使用したいものだが、演者がバイクに乗り、ステージ上を駆けまわることだってできる。

(参照:https://photos.app.goo.gl/CGprojV74DxBqro37

オープニング、また、場面転換時、ステージを隠すスクリーンを使うことで、観客をその世界へ誘うことが可能。

またラウンドステージとスクリーンを掛け合わせることで、バイクの疾走時も背景をつけることができるから臨場感あふれる映像となるし、2218年と1981年を行ったり来たりすることもできる。

僕の説明だけでは伝わり難い部分もあるので、詳しくは会場サイトをチェック!

ステージアラウンドとは|TBSテレビ:IHI STAGE AROUND TOKYO

 

笑いあり、へヴィメタルあり、笑い泣きあり、爆音あり、演者の熱き演技と裏方のスタッフの努力も垣間見え、怒涛の4時間が一瞬で過ぎていった。

「ここは本当に東京か?2018年の豊洲で観てるんか?」

と思わせるほど、『メタルマクベス』の世界にどっぷりと入っていった。

ミュージカル、メタル、生演奏、各俳優の技量、そしてギミック満載の会場が掛け合わさり、最高級のエンターテイメントができた。

チケット代が13,500円と高額だが、実際生で体験してみると、逆に安くない?と思わせるほどに、濃密で大規模な作品であった。

終焉後、いろんな悩みやストレスは粉々に粉砕され、僕の血は騒ぎ、肉が踊り、興奮は最高潮に達していた。

『Disc 1』は夏に終わり、メンバーが変わって、『Disc 2』も終了。『Disc 3』が31日まで上演されている。

もしこれ読んで興味が出た人いたら、年末お忙しいと思うが、是非行ってみてほしい。

絶対皆さん燃え上がり、感動するはずだから!

メタルヘッドの皆さん、現在上演している『Disc 3』にはTHE冠の冠徹弥さんが出演しているから。ほんまもんのハイトーンヴォイスを聴けるのでご心配なく!

『メタルマクベス Disc 3』のゲネプロ、特番映像をいくつか紹介。


浦井健治×長澤まさみが美しく突き進む! 新感線☆RS『メタルマクベス disc3』が11月9日から開幕


20181021 メタマクdisc3 特番


2018.12.02 メタマク disc3 特番②

このブログを読んでこの映像を観たら、実際足を運んで観てみたくなるはず!

そして『メタルマクベス』を観てメタルに興味を持たれた方々。最後にいくつか、エピカルなメタルをいくつか紹介しよう。


Rhapsody of Fire-Emerald Sword (LIVE) HIGH QUALITY

オペラヴォイスの勇壮な冒険メタル、イタリアのRHAPSODY OF FIRE。


NIGHTWISH - Ghost Love Score (OFFICIAL LIVE)

欧州でかなりの人気のある、女性オペラヴォイスとシンフォニックサウンドによるバンド、フィンランドNIGHTWISHが見せる一大絵巻。


Avantasia - Sign of The Cross/The Seven Angels (The Flying Opera Around The World In 20 Days 2011)

欧米のへヴィメタルの中で屈指のシンガーが集まったヘヴィメタルオペラのプロジェクト、AVANTASIA。

 

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